こんにちは。ヤスコ です。
実は、先日コロナに罹ってしまいました。
発病に伴い、直近にクラスにご参加いただいた方へご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありませんでした。この場をお借りしてお詫び申し上げます。
今はすっかり治って元気になりましたが、発病してからの二日間に渡る発熱、その後の動悸、背部痛、鬱感覚、など、様々な症状を経験しました。
私たちはヨガやピラティスを通じて、カラダを動かす練習をしています。しかし、病気になれば、カラダなんてちっとも思い通りになんてなりません。
この世には、いくつかの逃れられない「苦」があるといわれています。
「生病老死」です。
生きること、病気になること、老いること、死ぬこと。
それでも私たちは生きていきます。
生きる事がそもそも苦を作り出しているとするならば、なぜ生きるのか。
深い問いです。
カラダの回復期においても、今回は何だか長い間、気力が出てきませんでした。
他者へ迷惑をかけてしまったという自責の念、
そもそものカラダの機能低下に伴う思考力の低下もありました。
そんな中、ちょうどWBC(ワールドベースボールクラシック)が開催されていました。
選手達は、試合直前に円陣を組み、この試合をどう戦っていくのか、意思を確認します。
その中で、とても心に残った言葉がありました。
「この試合中、私たちはミスをすると思う。だからチームでカバーしていこう。」
えっ!!最高峰の選手でもこんな風に思うんだ!と驚いたの同時に、とても感動しました。
なぜなら、今までであれば
「ミスをしないように頑張ろう!」
という運びが主流だったからです。
これは、ミスをしてもいいということではありません。
ありのままの事実を認めた上で、精一杯、今できることを尽くそう!これが真に大切なことなのではと思っています。
こういった考え方が、チームを優勝へと導いた理由の一つかもしれません。
ヨーガ・スートラには、
「ヨーガに対する障害とは、①病気、②無気力、③疑、④放逸、⑤らん惰、⑥執念、⑦妄見、⑧どうしても三昧に入り得ない心理、⑨三昧にはいっても永くとどまり得ない心理など、すべて、心の散動状態をいうのである」(一・三十)
②無気力とは心で強く望みながら行動に出られない心理
③疑とは決断がつかない心理
④放逸とは落ち着きがない心理
⑤らん惰とはものぐさ、ぶしょうといわれる心理
⑥執念は欲望の強いこと
⑦妄見とは真理に反する主義、主張
とあります。
そして、
「苦悩、不満、手足のふるえ、あらいいきづかい等が心の散動状態に伴って起こる」(一・三十一)
まさに、病気の渦中には、次々と上記の症状が現れました。
「心の散動を対症治療するには、ある一つのことがらを対象として、繰り返してこれに思念を集中する方法を用いる」(一・三十二)
そのために、
「イキを出す法とイキを止めておく法とによってもも心の静澄が得られる」(一・三十四)
「いろいろな対象を持った感覚現象が発現するならば、それはこころ(意)を否応なく不動にする」(一・三十五)
とあります。
今回、カラダも気力も、何もできないという状態になってしまったのですが、無理に回復させようとせず、あえてその時々の様子を、じっくりしっかりと感じるように心がけていました。
無気力な状態が続いていたのですが、そういえば、と、春のあたたかい日射したっぷりの窓際に静かに座りました。
そして、ゆっくりと呼吸をします。
Breathing in, I know I am breathing in.
Breathing out, I know I am breathing out.
息を吸いながら、息を吸っていることを知る。
息を吐きながら、息を吐いていることを知る。
そして微笑む
(マインドフルネス呼吸瞑想、ティック・ナット・ハン氏による)
今、この瞬間をありのまま感じ尽くす。
そうしているだけで、とても安らかな気持ちになれました。
心の底から「ああ幸せだなあ」という感覚に満たされました。
不思議な感覚です。
それから、ゆっくりとヨガをしました。
全身を丁寧にほぐしていく事で、滞っていたカラダの内側(気)が流れはじめました。(特に大きなリンパ節に効果を感じました)
こうして、ようやくカラダもココロも回復したのでした。
実は、ヨーガ・スートラに書かれていたから、上記の実践をしたのではなく、
病気からの回復の流れをブログに書こうと思い、スートラを読んでいたら、ピッタリと当てはまる事が書かれていたのでした。先人の智慧に感服です。
偶然にも、今回のコロナ感染により、ヨーガスートラに書かれていたことを、深く体験することができたのでした。
ヨガや瞑想は、私たちから「苦」を取り除いてくれる素晴らしい方法の一つです。
健康な方も、健康に不安がある方も、是非日常に取り入れていただきたいと願います。
そして、これからも高尾ヨガスタジオでヨガを伝え続けていきたいな、
頑張ろう!
と改めて心に誓ったりしました。
みなさま、これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
ヤスコ